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2015/12/30 14:34

・蜻蛉は前にしか飛ばず後退しないことから、「決して退却しない精神」を表すものとして、別名「勝虫」とも呼ばれ、戦国武将に好まれ甲冑などの装飾にも用いられました。加賀藩主 前田利家もその一人で、蜻蛉の前立ての兜を持っていたことが伝えられています。
その蜻蛉の柄を寄木細工の技法を取り入れた「寄木細工織」で織り込んでいます。
寄木細工(よせぎざいく)は、様々な種類の木材を組み合わせ、それぞれの色合いの違いを利用して模様を描く木工技術です。日本では神奈川県箱根の伝統工芸品として有名で、200年程の歴史を持ち、日本の伝統文様を木で寄せた技法です。 毎年正月に開催される箱根駅伝では、往路優勝チームに寄木細工で作られたトロフィーが授与されることでも知られています。
寄木細工織とは、寄木細工に適した色合いの材木を重ね合わせで接着し「積木」と言われるものを作った後に、それを薄く「かんな」で削り、高知県産の和紙に張り付けて細く裁断し、帯に織り込んでいく技法です。それにより蜻蛉の柄を表現しています。
また寄木を和紙に張り付ける部分と貼り付けない部分を作ることで「麻の葉」の模様を浮き出させています。

更に、帯の地の部分は櫛織の技法で織られており、波のような模様として表れています。
非常に手の込んだ、正に職人技による逸品です。
光沢のあるゴールドの糸とトンボの柄が相まって無地感の着物でも柄物でも、着物の邪魔をせずそれでいて存在感があり、一段と着物姿を引き立ててくれる袋帯です。